命の修羅場からのメッセージ

こんにちは。悩めるナースの処方箋、看護師歴25年のコーチ芦村恵です。
私は、重篤な状態にある患者さんを24時間体制で管理、治療する救急部・集中治療室(ICU)に8年間勤務した経験があります。
人が少ない夜勤勤務時、救急車で患者さんが立て続けに運ばれてきた時の緊迫した医療現場の様子は、今でも鮮明に蘇ります。
8年間のICU勤務で私の人生観は大きく変わりました。
幸いにも九死に一生を得て、一命をとりとめた方もいらっしゃいますが、目の前で命のともしびが消えていく、その瞬間に立ち会ったことも何度もあります。
命とはなんて力強く、なんてはかないものでしょう。
奇跡としか言いようがない生命力で助かる人もいれば、ほんの一瞬の事故で命を落とす方もいる。
朝、元気で「いってきます」と家を出た息子の変わり果てた姿を受け入れられず、混乱する母親の姿にかける言葉が見つかりませんでした。
人生で大切なものってなんだろう。
私は大切なものを大切にできる生き方をしているだろうか。
命の修羅場で自問自答が続きました。
そして、2016年の熊本地震発生。
親しい友人やいつもの光景、見慣れた景色の思ってもみなかった変貌を目の当たりにして、ぼんやりとしていた答えがはっきりと言葉になりました。
人生、いつ何が起こるのかわからない。
大切なのは「いま」。 「今、この時」。
楽しみを未来のために保管するのはやめて、「今」この瞬間にわくわくする気持ちを感じよう、と。
看護師として働いていた時期は、仕事のため、家族のために、自分の楽しみを未来に保管し続けてきたように思います。
そしていま、保管し続けてきたわくわくの宝箱を、一つ一つ開けているところです。
その箱に入っていたわくわくの一つが、「自分のナース時代の経験を発信して、同じ悩みを持ったナースに届ける」というものでした。
命の修羅場で感じた思いを、どうかあなたの人生を照らす光になれば、という想いで「悩めるナースの処方箋」にまとめてみました。
どうか、まずは自分自身を大切に。
そのことがあなたの大切な人を幸せにする一番の近道なのです。
この「ナースの処方箋」が、あなたの大切な命の時間を輝かせるヒントになればうれしいです。